田舎の土地を処分する4つの方法と費用の目安

売れない土地

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「親から田舎の土地を相続したけれど、住む予定も使う予定もない」。そんなとき、固定資産税の通知書が届くたびに、気持ちが少し重くなる方は少なくありません。都会の土地と違って、田舎の土地は「売りたくても買い手がなかなか見つからない」ことが多く、どう手放せばいいのか分からないまま、時間だけが過ぎてしまいがちです。

私はかつて土地の取引に関わる仕事をする中で、遠方の土地や残置物がある土地について、所有者の方と進め方を考える場面がありました。専門家ではありませんが、その経験から感じるのは、田舎の土地ほど「方法は一つではない」ということです。売る以外にも道はあり、順番を間違えなければ、持て余している土地にも出口は見つかります。この記事では、田舎の土地を処分する4つの方法と、かかる費用のおおよその目安を、順を追って整理します。

なぜ田舎の土地は処分しにくいのか

まず、なぜ田舎の土地が手放しにくいのかを整理しておきます。理由が分かると、どの方法が向いているかも見えてきます。

  • 買い手が限られる……人口が減っている地域では、そもそも土地を欲しい人が少なく、売り出しても反応が薄いことがあります。
  • 土地の条件が弱いことがある……道路に接していない、形がいびつ、傾斜があるといった土地は、住宅を建てにくく、買い手がさらに絞られます。
  • 農地・山林は扱いが特殊……農地は売る相手や転用に制限があり、山林は境界がはっきりしないことも多く、すぐには動かしにくいものです。
  • 維持にも処分にも費用がかかる……持っているだけで固定資産税がかかり、いざ手放すにも、解体や片付け、測量などの費用が必要になる場合があります。

こうした、持っているだけで負担になりやすい不動産は「負動産」と呼ばれることもあります。ただ、条件が弱い土地でも、合う方法を選べば手放せる可能性はあります。大切なのは、最初に全体像を知っておくことです。

田舎の土地を処分する4つの方法

どの方法を選ぶにしても、出発点は「今の土地にどれくらいの価値がつくか」を知ることです。複数の不動産会社にまとめて依頼できる一括査定なら、無料で、おおよその相場感をつかめます。あわせて、国土交通省の不動産情報ライブラリで周辺の取引価格などを確認しておくと、査定額を見るときの参考になります。そのうえで、次の4つの方法を比べてみましょう。

1. 売却する(仲介)
不動産会社に買い手を探してもらう、もっとも一般的な方法です。相場に近い価格が期待できる一方、田舎の土地では買い手が見つかるまで時間がかかることがあります。広告の出し方や価格の見直しで動くこともあるため、反応が悪いときは担当者や会社を変えるのも一つの手です。

2. 買取業者に直接売る
不動産会社や専門業者に、その場で買い取ってもらう方法です。条件が合えば、仲介より短い期間で手放せ、古い家や残置物ごと引き取ってもらえることもあります。その代わり、価格は仲介で売る場合より低くなりやすい傾向があります。急ぐ場合や、仲介で売れ残っている場合に向いています。

買い手がつきにくい田舎の土地でも、「相続した不動産の売却」に対応した買取なら、現況のまま引き取ってもらえる場合があります。
仲介と並行して、買取でいくらになるか確かめておくと選択肢が広がります。

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3. 相続土地国庫帰属制度を使う
2023年に始まった、相続した土地を国に引き取ってもらう制度です。建物がないこと、境界が明らかであることなど、いくつかの要件があり、すべての土地が対象になるわけではありません。引き取りが認められた場合は負担金を納める必要があり、金額は土地の種類や面積によって変わります。原則として20万円が一つの目安とされていますが、面積などによって変わるうえ、申請時には別途審査手数料もかかります(最新の金額や要件は法務局で確認してください)。「売れない土地でも手放せる可能性がある」選択肢として知っておく価値はありますが、使えるかは土地ごとの状態によります。

4. 近隣・自治体・NPOなどへ譲渡する
隣の土地の所有者にとって「一体になると使いやすくなる土地」であれば、譲渡や売却の話に応じてもらえることがあります。また、自治体やNPOが寄付を受け付けている場合もありますが、受け入れの条件は地域によって大きく異なります。まずは土地のある自治体の窓口に相談してみるのが第一歩です。

処分にかかる費用の目安

手放す際には、土地そのものの値段とは別に、次のような費用がかかることがあります。いずれも目安で、土地の状態によって幅があります。

  • 解体費用……古い建物を壊す場合、木造でおおよそ1坪あたり3万〜5万円ほどが一つの目安と言われますが、地域・構造・残置物の有無などで大きく変わります。30坪なら100万〜150万円ほどが目安で、正確な額は複数社の見積もりで確認しましょう。
  • 残置物の片付け費用……家具・家電・荷物が残っていると、その処分費がかかります。解体業者にすべて任せると割高になりがちなので、先に片付けておくと総額を抑えやすくなります。
  • 測量・境界確定の費用……境界がはっきりしない土地では、売却や国庫帰属の前に測量が必要になることがあります。

遠方の田舎の家ほど、残された家具・家電・荷物(残置物)の片付けが大きな負担になりがちです。
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どの方法から考えるべきか

4つの方法には、試す順番の目安があります。

  1. まずは売却(一括査定)で、今の市場価値を把握する
  2. 価格がつかない、買い手が見つからない場合は買取を検討する
  3. 売却が難しい土地は相続土地国庫帰属制度の要件を確認する
  4. それでも難しい場合に近隣・自治体への相談を検討する

土地の種類によっても向き不向きがあります。住宅地なら売却が現実的なことがあり、傾斜地や山林、接道に課題がある土地では、近隣への相談や国庫帰属制度の要件確認など、別の選択肢も並行して検討する必要があります。ただし、国庫帰属制度は土地の状態によっては使えない場合があります。「結局どれも無理だった」とならないよう、一つがだめでも次に切り替えられる、という見通しを持っておくと気持ちが楽になります。なかなか買い手が見つからない場合は、実家が売れない3つの理由と今すぐできる対策もあわせて参考にしてください。

進める前に気をつけたい3つのこと

  • 名義を先に確認する……亡くなった方の名義のままだと、売却や国庫帰属制度の検討を進める際に、相続関係や名義の整理が必要になります。2024年4月から相続登記は義務化されているため、まずは登記簿で名義の状態を確認し、相続人を整理しておきましょう。手放し方の全体像は相続した土地がいらない時の3つの手放し方でも整理しています。
  • 相続人全員で方針を共有する……土地が複数の相続人の共有になっている場合、売却や国庫帰属には原則として全員の同意や共同申請が必要です。早めに話し合っておきましょう。
  • 税金のことは専門家に相談する……土地を売って利益が出た場合の税金や、使える特例は、個別の状況によって変わります。

なお、税金・法律・登記・境界の具体的な判断は、税理士・司法書士・土地家屋調査士など専門家に確認してください。本記事は一般的な情報の整理です。制度の内容や負担金の額は改正される場合があるため、最新の情報は法務局や各自治体の窓口で確認してください。

よくある質問

Q1. 田舎の土地でも本当に売れますか?

立地や形状によっては時間がかかることもありますが、買取業者であれば、仲介で売れにくい土地でも引き受けてもらえることがあります。まずは一括査定などで価格がつくかどうかを確かめ、つかない場合は国庫帰属制度や近隣への譲渡など、別の方法に切り替えていくのが現実的です。

Q2. 相続土地国庫帰属制度は、いくらくらいかかりますか?

引き取りが認められた場合、負担金を納める必要があります。原則として20万円が一つの目安とされていますが、土地の種類や面積によって変わり、申請時には別途審査手数料もかかります。建物がある場合は解体して更地にすることが前提になるなど、費用や要件は土地ごとに異なるため、具体的な金額は法務局で確認してください。

Q3. 処分にかかる費用を、できるだけ抑えるにはどうすればよいですか?

解体や片付けの費用は、業者によって差が出やすい部分です。複数社から相見積もりを取ること、残置物は自分で片付けられる分は先に片付けておくこと、解体補助金など自治体の制度が使えないかを確認することで、総額を抑えやすくなります。あわせて、解体せずに「古家付き土地」として売れないかも検討すると、解体費そのものを省ける場合があります。


参考にした公式情報

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